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【介護職として学んだ、採用活動における5つの大切な視点】
先日、「福祉系の就活生」に関する採用・人材確保の研修に参加しました。
施設長として現場を預かる立場になった今、“これから現場に入ってくる人”の目線を知ることは、とても貴重な学びでした。
「介護の仕事に興味を持ってくれている学生さんは確かにいる」。でも、その中で**「この職場で働きたい」と思ってもらえるかどうかは別問題**──。
この気づきは、管理者・現場に関係なく、私たち一人ひとりに関係していると感じています。
そこで今回は、研修で学んだことの中から、特に現場視点で「これは知っておきたい!」と感じた5つのポイントをまとめました。
① 採用は“待つ”時代から“動く”時代へ
最近の学生は、大学3年生のうちから就活を始め、複数のインターンに参加するのが当たり前になっているそうです。
つまり「いつか来てくれるだろう」ではなく、施設側から魅力を発信していく“攻めの姿勢”が求められています。
② 「志望動機」は人それぞれ。“働く土台”が整っているかが問われる
やりがい、給与、人間関係、休み、設備環境──学生の価値観は多様です。
理念や想いだけでなく、腰痛対策やICT導入など、日々の業務がラクになる工夫が「ここで働きたい」と思ってもらえる要素になることを学びました。
③ SNSや内定後のフォローが「定着率」にもつながる
Instagramなど、表面上は反応が薄くても見られているという話は印象的でした。
また、内定後の不安を減らすために、若手職員との交流や見学の機会があると、定着率がグッと上がるそうです。
④ 「現実」と「理想」のギャップを埋める日常の努力
学生が職場を「安心 → 成長 → やりがい」の順で見ているという話から、マズローの欲求階層を思い出しました。
どんなに理念を語っても、休憩がとれない、腰が痛い、記録が負担…では「ここで働きたい」とは思えない。
だからこそ、日々のケアやチーム連携こそが、採用活動につながると気づかされました。
⑤ 上手くいっている法人は、施設長と現場職員の積極性
採用活動において、現場の職員や施設長が説明・見学対応に関わり、リアルな雰囲気や想いを自分の言葉で伝えている法人ほど、学生の共感を得て採用につながっている──そんな傾向がはっきりと見られました。
特に注目すべきは、採用がうまくいっている法人とうまくいっていない法人を分ける“明確な相関”がほとんど見られなかった中で、「現場の人が採用に関わっているかどうか」だけが、唯一有意な相関として確認されたという点です。
SNS戦略やナビサイト活用、給与や休暇制度の整備など、他の要因だけでは成果に直結しない一方で、「現場の声」が届くかどうかが、もっとも強い影響を持っていたのです。
就活生にとって、職員の雰囲気や現場の空気感を“体感”できることが最大の安心材料。
見学・説明対応は、まさに現場の出番です。
まとめ:採用は、職場づくりそのもの
この研修を通じて、「採用活動は人事部だけの話じゃない」と実感しました。
毎日の支援、声かけ、チームの空気──それこそが、学生にとっての“第一印象”。
いい仲間と出会いたいなら、まずはいい職場をつくり続けることが大事。そう感じた一日でした。
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